New Blog Posted!査定(アプレイザル)を物件検査(インスペクション)と混合していたり、査定の必要性についての質問をよく受けますので、今回は、よく理解されてない割に不動産売買で大きな役割をする査定についてお話しします。 なお、査定は同じ意味でアンティークや収集品などの鑑定の際にも使われますが、私がお話しするのは不動産にフォーカスした査定です。 査定(Appraisalアプレイザル)とは?![]() 査定(Appraisalアプレイザル)とは、資格を持つ住宅査定士(Appraiserアプレイザー)が行う、物件の市場価値に関する専門的な評価のことです。査定士は、物件の購入価格が市場価値に見合っているかを確認するために、周辺の売却された類似物件と比較して評価を行います。現金で購入する場合、買い主が自分で査定士を雇って市場価値を確認することもありますが、ほとんどの場合は住宅ローンを組む際、またはリファイナンス(借り替え)をする際に金融機関が査定を依頼します。 なぜローンを組むと査定が必要なの?金融機関にとって、ローンを提供することは金利による収益を目的とした投資です。従ってローンを出す際は買い主が市場価値よりも高い値段で買おうとしていないか確認することも投資のリスクを軽減する方法の一つで、そのために査定が行われます。ローン審査で必要とされる査定は、その金融機関が審査中に取り寄せた査定のみ受け付けられますので、いくら最近のものでも他社や買い主本人が正規の査定士を直接雇って出してもらった査定結果は無効です。 査定の結果が低かったらどうなるの?![]() 多くの方が思い違いしているのが、購入額を基準にしてローン額が決まると思っていることです。実際はローンの借入額は購入額ではなく、査定額を基に決定されます。 どういうことかと言うと、例えば物件が$1,000,000で購入契約され、20%の頭金でローンを組む予定であった場合はローン額は80%の$800,000と考えられます。しかしそれは査定がちゃんと$1,000,000で出た場合のシナリオです。査定額が$950,000だったらローン額はその80%、つまり$760,000となってしまい、予定していたよりも借りられない結果になってしまうのです。その埋め合わせで買い主が自分で現金を頭金に足せるなら$1,000,000の購入も問題ないかもしれませんが、たいがいは市場価格以上に支払いたくないと考えるため、査定額が購入額より低い場合、買い主が契約をキャンセルするのが一般的ですが、稀に売り主が査定額まで売値を下げて売買を成立させることもあります。いずれにせよ、低い査定結果は買い主だけでなく、家の売り主側にも影響を与えます。 また、シアトルなどの競争が激しい市場では、複数のオファーの中で勝ち残るために、最終的に物件価格が$200,000〜$300,000も上がることも珍しくない他、査定をはじめ各種の条件を省略することも多くみられます。その場合、買い主は手付金を失わずに購入をキャンセルするオプションがなくなる上、購入契約額と査定額に大きな差が出た時には多額の差額を自費で支払うことになります。 査定は必ず正しいの? 上で話した通り、資格を持った査定士が時間をかけて比較物件の特徴や価値をよく理解した上での評価額で、オンライン査定のように近隣で売れたものを一緒くたにして出した平均値とは全く違いますので、信頼性は十分あると思います。しかし人間のやることですので誤りが生じることもあると思います。
ご自分がローンを組む際に査定をして結果に納得がいかない場合、担当した査定士に直接コンタクトするのはタブーですが、金融会社とご自分の不動産エージェントにご相談なさることをお勧めします。 |
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March 2025
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